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精神の印刷

たぶんどこの地方でもそうだと思うのですが、図書館で本を借りると、借りた本の書名や返却日等が印刷されたメモ用紙みたいなのを渡されますよね。あの紙(正式名称はわからない)、受け取られた後どうされますか? 借りた本の間にはさみこむ方、多いと思います。あたくしは絶対と断言していいほどそうします。もしもあの紙が、A4くらいの大きさであったならば、本と同列に扱うような感じで、本に重ねてかばんに入れられるということもありえますが、レシートみたいにこまいものだから、どうしても本の従属物、というイメージで本能的もしくは無意識にページの間に挟みこむこととあいなるわけです。紐のついていない本の場合、その紙をしおり代わりに使ったりもしますが、たいてい挟み込まれたまま忘れてしまいます。そうなるとどういうことが起こるか? 借りた本のページの間に、自分の前にその本を借りた人が挟み込んだその紙が残ったまま、ということに誰もが頻繁に出くわすこととなります。実は、あたくし、ページをめくっていて忘れ去られたその紙が出現すると、けっこう、わくわくします。そこには当のその本の書名の他に、その方が同時に借りられた他の書名も印刷されていて、それを見るのが何となく楽しいのです。要は、自分と同じ本を借りた人が他にどんな本を借りているのかを何となくのぞいてみたい。そこに自分が好きな作家の本があったりすると、なんだかうれしくなるし、「できる社員は朝4時に起きる」とか「鉱物図鑑」とかの自分の世界とはほど遠い書名が並んでいたりするとちょっとがっかりしながらも、そんな自分とは関係ないと思える人が自分と同じ本を借りているという事実に宇宙の深遠さを感じたりして、いずれにしろけっこう楽しめるわけです。だからといって勝手なもので、自分がはさみこんだまま忘れた紙を他人に見られるのは、恥ずかしい、というか自分の脳内や精神を印刷したものを配布しているような気がしてあまり感心しない、というか、まあ、知らない人だからいいけど。
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砂猫
Posted by砂猫

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